私たち人間にとって岩や石は堅固と不滅を意味するものとして映っています。とくに周りの自然環境に大きく頼っていた先史時代は環境や気候の変化によって人間の生死が左右された時代でもありました。このことから、環境が変わっても何ら影響を受けることのない巨樹や巨石を崇拝することは自然な成り行きだったのでしょう。石でできた支石墓は亡者が安らかに眠れる場所を整えることで祟りから自分たちを守ろうとしたことの証拠なのかも知れません。磨製石剣や石鏃などの武器が副葬品として支石墓から発見されていることからこれらの武器に亡者の魂を守るという意味が込められていると考えられる一方、現世での身分と地位を死後の世界まで持っていくという意味も含まれています。